2005年02月01日
Java技術(J2EE)とMicrosoft技術(.NET)の違い
企業向けの業務システムを構築する際、Java技術(J2EE)とMicrosoft技術(.NET)が採用されることが増えてきました。今回は、それぞれがどのような特徴をもつのか解説を行い、その違いを明らかにします。
業務システムのWebアプリケーションの構築
企業で使う業務システムをWebアプリケーションとして構築することが最近のトレンドとなってきました。
Webアプリケーションとは、サーバー上のアプリケーションの実行結果を即時にWebブラウザに表示できる技術で、例えばインターネットでサービスを行っているネットバンクやショッピングサイトなどがそうです。
従来より利用されているクライアント・サーバー型のアプリケーションでは、利用者の端末毎にアプリケーションを導入しなければなりませんでした。(図1)
Webアプリケーションを利用すると、アプリケーションの配布コストを小さくすることができます。
また、クライアント端末の種類にかかわらず、Webブラウザさえあれば、利用者はすぐにアプリケーションを利用できます。(図2)
現在、業務システム向けのWebアプリケーションを開発する技術はいくつか存在しますが、大きくはJava技術(J2EE)とMicrosoft技術(.NET)という2つの技術があります。
Java技術(J2EE)の特徴 | Microsoft技術(.NET)の特徴 |
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Java技術(J2EE)とは
JavaはSun Microsystems社が開発した言語で、携帯端末・PDAから、Windows・Linux・メインフレームまでさまざまなプラットフォームで動作する言語です。
Webアプリケーションには、企業システム向けのJ2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)という仕様に対応したアプリケーションサーバーが必要です。J2EE対応のアプリケーションサーバーは多くのベンダーから出荷されています。また、さまざまなのオープンソースのソフトウェアやライブラリが公開されており、そのうちの大部分は無償で利用することができます。Javaは、多くの企業やコミュニティ、個人によりサポートされていると言えます。
Microsoft技術(.NET)とは
Micorosoft .NETはMicrosoft社の技術戦略と開発プラットフォーム両方をあらわす総称です。特に、Webアプリケーションを含むネットワークで動作するアプリケーションの開発プラットフォームを.NET Frameworkと呼びます。
.NET Frameworkの上は、多くの言語(C, C++, C#, VB, J#)が動作します。さらに開発したプログラムをサービス(XML Webサービス)としてネットワークに公開することによって、例えば、インターネット越しにサービス同士を互いに連携したアプリケーションを構築するといったことも可能になります。
Java技術(J2EE)とMicrosoft技術(.NET)を使い分ける
必ずしもそうではありませんが、一般的にはJ2EEは 24時間止めてはならないアプリケーションを確実に動作させるようなシステムに採用されることが多く、.NETは使いやすいユーザーインタフェースのアプリケーションを比較的短い期間で構築する場合に好まれて利用される傾向にあります。
最近では、J2EEも.NETも互いに競い合いながら、新しい技術を次々に導入しており、双方の技術で実現できることの差は小さくなってきています。
例えば、.NETの利点であるリッチクライアントを簡単に開発するASP.NETという技術に対して、J2EEではJSF(JavaServer Faces) という技術が標準化されています。
さらに、Javaと.NETとの両方を組み合わせて利用することも可能です。例えば、24時間無停止のサーバー側にJavaを用いて、使いやすさを重視する利用者側には.NETを用いるという例も考えられます。
Webアプリケーションを導入する際には、.NETとJavaの特性を知った上で、ニーズにあった最適な技術を採用することが重要です。どちらが何に向いているか一概に言えるものではなく、適材適所で利用すべきだと考えられます。
当社のソリューション
当社では、業務システムのWebアプリケーション構築に関して、お客様に最適な提案ができるよう、Java技術とMicrosoft技術の双方の各種ソリューションを用意してお待ちしております。どうぞお気軽にご相談ください。
2005年2月
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