2015年11月01日
所有から共有へ
シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーとは
使っていない衣料品や家電、空いている部屋など、身の回りに余っているものはないでしょうか。このように余っているものを貸し借りして共有する、「シェアリングエコノミー」が注目を集めています。シェアリングエコノミーとは、ITを活用し、使われていない物やスペース、サービスなどのリソースを必要としている人に貸し出すことを仲介し、新しい価値を生み出す形態のビジネスです(図1)。例えば、余っている部屋を旅行者に貸し出すサービスや、個人が余った時間と自分の車を使って他人を送迎するサービスなどが代表的です。インターネットやスマートフォンの普及によって、これまで難しかった見知らぬ人同士でのリソースの貸し借りが可能になってきています。シェアリングエコノミーは2008年頃から欧米では徐々に浸透してきており、近年日本でも注目を集めています。
図1. シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーによって、貸し手は余ったリソースから収入を得て、借り手は購入することなく安価にレンタルできるというメリットがあります。スマートフォンを使って、今いる場所からすぐにサービスの利用を申し込め、料金は予め登録したクレジットカードから引き落とされて直接の支払いが不要であるなど、使い勝手も工夫されています。また、見知らぬ人同士の貸し借りには不安があるかもしれませんが、サービス内で貸し手と借り手が互いに相手を評価できたり、Facebookなどのソーシャルメディアのアカウントと関連付けられていたりと、信頼性を高められるようになっているのも特徴です。
シェアリングエコノミーの事例
シェアリングエコノミーの事例としては以下のようなものがあります。
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物を貸し借りする
- 余った家具や家電を貸し借りする
- 服や装飾品を貸し借りする
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スペースを貸し借りする
- 余っている部屋を旅行者に貸し出す
- 空いている駐車スペースをドライバーに貸し出す
- 空いている会議室を必要としている人に貸し出す
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サービスを貸し借りする
- 自分の車を運転して他人を送迎する
- 余った時間を使って他人のお手伝いをする
図2. シェアリングエコノミーで貸し借りされるものの例
シェアリングエコノミーの今後
シェアリングエコノミーはまだ始まったばかりのため、法規制や既存のビジネスとの対立、信頼などの問題もあります。例えば、余った部屋を旅行者に貸し出すサービスでは、国によっては法律的にグレーであることから、現地のホテル業者から反発を受けていることもあります。また、サービス内での評価やソーシャルメディアによって信頼性を高めやすくなってはいるものの、利用者同士のトラブルもあります。新しい技術やビジネス形態に対応した法規制の整備が進み、各サービス内で信頼性を高める仕組みが整うにつれて、安心して利用できるようになっていくでしょう。
社会全体のリソースを有効活用できるシェアリングエコノミーは今後も拡大していくでしょう。2020年の東京オリンピックに向けてホテルが足りなくなることが予想されることもあり、個人宅の貸し借りの規制緩和が進みつつあります。あなたの周りで余っている意外なものにビジネスチャンスが眠っているかもしれません。
2015年11月
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