2016年12月01日
エコシステムを活用したオープンイノベーション
コンセプトを共有し、みんなで新しいものをつくろう
オープンイノベーションへの期待
企業が競合企業との競争に勝ち残り、成長していくためには、イノベーションがますます重要となっています。そこで、イノベーションを加速させるために、社外の技術・知見を活用する「オープンイノベーション」に期待が高まっています。(*1)
*1:脱・自前イノベーション
https://kobelcosys-dev.demo.iqnet.co.jp/column/monozukuri/362/
オープンイノベーションの取り組み
オープンイノベーションを活用しようと、一部の企業では既に大学や研究機関と連携したり、ベンチャー企業と連携したりすることで、外部と1対1の連携を築き、新しい技術や考え方を取り入れています。また、新たなオープンイノベーションとして、ユーザーを含む多様な関係者と連携しながら製品をつくりあげるというエコシステムを築き、オープンイノベーションを実現している企業もあります。(表1)
連携先 | 特徴 | |
---|---|---|
1対1の連携(従来型) | 大学や研究機関との連携 | 技術開発を求めて部署に外部研究機関の技術を紹介することで開発を推進する |
ベンチャー企業との連携 | イノベーションのノウハウを取り込むために、ベンチャー企業と共同事業を行う | |
エコシステム | ユーザーを含む多様な関係者(企業・大学など)との連携 | メーカーとユーザーが共同で機能開発が行えるツールを公開し、ユーザーの要望を反映した製品を開発する |
エコシステムでは、これまで製品開発のプロセスに位置付けられていなかったユーザー(顧客)がプロセスの中に参加します。意見やアイデアをプロトタイプ(試作品)に反映することでイノベーションを生み出すのです。このエコシステムを活用したオープンイノベーションはこれまでにない製品を作り出す画期的な方法として、最近注目されています。
エコシステムを活用したオープンイノベーション
実際に、エコシステムを活用したオープンイノベーションを実行するにはどのようにすればよいのでしょうか。既に国内で実施した、あるメーカー企業の新製品開発プロセスをもとにご紹介します。
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コンセプト作り
- 「こんな製品を作りたい」「こんなサービスができたらいいな」というアイデアをまとめ、製品・サービスのコンセプトを作成する。
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プロトタイプ開発
- 社内の関連する部門にコンセプトを説明し、理解や協力を得ながらプロトタイプ(試作品)を作り、コンセプトを具体化する。
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製品・サービスのコンセプトの共有(図1)、製品化
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プロトタイプをもとに製品・サービスのコンセプトを共有する。必要な技術やアイデアを持つ社外のパートナー(関係者としてのユーザーや企業など)を開拓し、製品化する。
例:アイデアワークショップの開催、ハッカソン(*2)の開催
*2:ハッカソン:与えられたテーマに対し、それぞれの技術やアイデアを持ち寄り、短期間(1日~1週間程度)に集中してサービスやシステム、アプリケーションなどを開発し、成果を競う開発イベント。
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プロトタイプをもとに製品・サービスのコンセプトを共有する。必要な技術やアイデアを持つ社外のパートナー(関係者としてのユーザーや企業など)を開拓し、製品化する。
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機能やサービスの拡大
- 開発者や研究者がオープンソースとして公開してほしい部分を提供したり、ユーザーのアイデアによって利用シーンを増やしたりして、製品・サービスの利用を拡大させる。
図1.エコシステムによる製品・サービスのコンセプトの共有イメージ
オープンイノベーションの今後
今回紹介したような、コンセプトから技術を集め、製品を作るプロセスだけでなく、既存の技術を種に新たなコンセプトを集めて製品を作ろうというイノベーションも模索されています。今は、あまり注目されていない製品や技術が、ユーザーや外部の企業・研究機関と連携するエコシステムを築くことで、新たなアイデアが生み出され、ヒットするかもしれません。
2016年12月
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